養蜂&はちみつコラム

#2 争うことのないミツバチ

ローワン・ジェイコブセンはその著書、「ハチはなぜ大量死したのか(原題:Fruitless Fall)の中で、ミツバチの成長をヒトに例えるというユニークな比喩を紹介しています。下記にそのまま引用します。

「3600グラムで生まれた赤ちゃんが、生まれた日の午後に7キロを超え、次の日の午前中には14.5キロになり、そのまた翌日には58キロになっている姿を想像してほしい」

この比喩の目的は、働くミツバチの仕事の半分以上が生まれてくるミツバチの世話に充てられること、すなわち彼らの社会を維持するためにその食糧となる蜜(そして花粉)集めがとても重要なことを示すことにあります。

養蜂に用いられるミツバチ、アピスメリフェラ種は、この作業を数百万年前から続けています。我儘や勝手、気まぐれやさぼりをするミツバチはいません。もちろん、ミツバチ同士の喧嘩やいさかいもありません。私たちの養蜂場には、初夏には100を超える彼らの社会(すなわち巣箱)がありますが、お互いの争いで、彼らの社会が消滅したり、破綻したことはありません。

ただひたすらに種の維持のために働くミツバチ、その成果がヒトの体に良いことも偶然では到底無いように思います。

斉藤克明

 

 

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