養蜂&はちみつコラム

冬のミツバチの知恵―蜂球

寒い日本の冬を越すミツバチの知恵に蜂球があります。集団で塊になり寒さをしのぐわけです。厳寒の時期のみならず、分蜂といって女王バチが古巣を飛び出して新たな自分の巣、すなわち社会を作る時も原型として写真のように、その構成員としての働きバチはがっちりと塊まります。

ミツバチの蜂球

さて、今の時期の寒さを集団で防衛するミツバチの知恵ですが、日本ミツバチのほうが西洋ミツバチよりも理にかなっているようです。日本ミツバチは、厳しい寒さにさらされる塊の外郭を働きバチが交代するのに対して、西洋ミツバチは塊の中での移動はそれほどしないのです。哺乳動物の世界では、ペンギンが寒さをしのぐために塊を作り、外郭を交代で守るのだそうです。

塊ることで社会を維持するということをミツバチは数十万年続けていますが、さて人間はその大切さを知りながらも複雑な社会の多様性に満ちた現実にミツバチのようにシンプルな対応は極めて難しいようです。

斉藤克明

 

 

 

 

 

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