ミツバチの社会―#3 はちみつ作りの主役、働きバチについて
<16日のコラムにつづきます>
ミツバチの共同生活を養蜂家は巣箱という素材で詳しく知ることができます。彼らの社会の維持はすべて雌のミツバチで構成されています。彼女らは、孵化してすぐに、幼虫の世話をはじめ、集められたはちみつの水分を除いて濃縮させる作業や、自分の体内から蜜蝋を分泌して巣づくりをします。これらの内勤作業を終えると、巣から外に出て、その入り口で守衛さんとなり、自分の生涯の最終段階で命を落とすリスクの高い蜜集めへと飛び出していきます。
私たちの日常で目にする昆虫のなかで、養蜂場で活動するミツバチほどその集団が組織的、合理的に運営されているものはありません。蝶、バッタ、カマキリ、カブトムシ、クワガタムシなど、親しみのある昆虫は、ミツバチのような社会もなければ、共同作業もありません。
そのミツバチの社会、主役はすべて雌バチが担っているのですが、雄バチにも雌バチと同じような役割がないのか、私は不思議でなりません。
つづく
斉藤克明