ミツバチと暮らす四季―養蜂家 スー・ハベルさんについて
スー・ハベルさんはアメリカ、ミズリー州で養蜂を営んでいますが、その著書「ミツバチと暮らす四季(原題:A BOOK OF BEES)」は、プロの養蜂家のみならず一般の人々にも趣味の養蜂を実現化させるような魅力的な本です。
現実的には、日本とアメリカの国土の違い(約1:24)からくる人口密度から、日本ではどこでも巣箱が置けるわけではありませんが、彼女のミツバチに対する知識は、人類との関わりや、自然との関わりも多くのページを割いていて読み物としても興味深く思います。
以前にもコラムでご紹介しましたが、ローワン・ジェイコブセン氏の「ハチはなぜ大量死したのか(原題:Fruitless Fall:実りのない秋)」や、ルーシー・M・ロングさんの「ハチミツの歴史(原題:Honey: A Global History、はちみつ:その地球上の歴史)」と共通しているのは、はちみつの捉え方の多様性と表現の豊さです。ジェイコブセン氏の著作が専門家よりもむしろ世界の人々に注目され、ミツバチを通してみた自然の在り方と人間の経済的悲しき打算、そして地球の将来までも予感させるその内容がベストセラーになったことは頷けます。
日本でも毎年のように繰り返される異常気象や天変地異ですが、それらの一端は人災という見方は自然を愛してやまない彼らによって、私たちが気づくことなのかもしれません。
自然とはちみつに興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。
齊藤克明(父)