ミツバチの化学
ミツバチは花の蜜を集め、それを巣に持ち帰って自分たちの生きていく糧として蓄えますが、単純に花蜜を巣に蓄えるわけではありません。花蜜のおもな成分は、それを出す植物の種類には関係なく、ショ糖すなわち私たちが一般的に用いるお砂糖ですが、このショ糖をミツバチは、インベルターゼという酵素を使ってブドウ糖と果糖に分解しそれを巣に蓄えます。
巣に蓄えられたはちみつは、最初のうちは濃い状態ではありません。それを彼らは自分たちの翅を使って水分を飛ばしシャバシャバの状態を糖濃度80%程までに高めていきます。
人間が作った砂糖とミツバチが作ったはちみつ、甘いという点は共通していますが、砂糖はそのままでは、体に吸収されないので、ブドウ糖と果糖に体内で酵素を使って分解する作業が必要ですが、はちみつはその必要がなく、そのまま吸収されます。
また、砂糖そのものには、ビタミンやミネラルは含まれませんが、はちみつには、多種多様なビタミン、ミネラルが含まれています。
みつばちが生みだした化学は、私たちの日常の甘味の概念を大きく変え、結果として健康に大きく寄与する要素がふんだんに含まれています。
齊藤克明(父)