♯1 ミツバチと太陽
スプーン一杯のはちみつを口にしてみてください。口の中に広がる甘味、風味は数千匹のみつばちが数万個の花から集めたものです。組織的行動を得意とするミツバチは、たくさんの蜜が採れる花のありかを的確に仲間に伝えることができます。
その伝達方法の元になるのが太陽です。彼らは太陽を地平線上に鉛直に下したところを起点として花のある方向を、羽を震わせ蛇行することで仲間に知らせます。距離は蛇行の長さによって決められます。養蜂家はそれをみつばちダンスと呼んでいますが、数千の働きバチが数百回花蜜を集めてやっとスプーン一杯のはちみつです。純粋なはちみつが美味しい根拠はミツバチたちの地道な努力によるものと言っていいと思います。齊藤雄紀談(父:齊藤克明筆)