思い出の「ハチハニー」
ハチハニーとは、作家吉本ばななさんの短編小説の題名です。アルゼンチンを舞台にした小説だったので、もしかするとスペイン語関連の言葉と思いきや、主人公のお母さんのはちみつを使った手作り風邪薬の名前でした。ハチハニーに関する文章をそのまま下記に引用します。
「風邪をひくと、母はいつもはちみつをお湯で溶いたものに、ウィスキーを少し入れてレモン汁をしぼったものを作ってくれた。高校生になってもそうだった。(中略)母はなぜかそれを「ハチハニー」と呼んだ。はちみつレモンじゃないの?と南何回言ってもこの名のほうがいいと変えなかった。あの熱い甘い味が口に広がる気がした。世界中同じだ。」
子どものころの風邪、だれでもそんな時にお母さんの何かを記憶していないでしょうか。その素材としてのはちみつに私は、日常文化の温かみと失いたくない家族への想いを感じます。
以前にBee Conciergeのはちみつを購入されたお母さんとお嬢さんからお手紙を頂きました。彼女の「ハチさんありがとう」に嬉しさと喜ばしさを感じました。「ハチハニー」の中身は何であってもいいと思います。現代にあって家族の文化と絆にはちみつがほんの少しでも貢献できれば、働きバチもきっと喜んでくれると思います。
齊藤克明(父)