養蜂&はちみつコラム

ミツバチの活動-巣の拡張

働きバチが自ら作った巣枠

写真は、巣箱の中に働きバチが自ら作った巣枠です。養蜂家の間では、これを「むだ巣」と呼び、削除されます。当のミツバチにとってはせっかくの営巣が報われずに残念な結果となるのですが、なぜ彼らが2段に重ねられた狭い巣箱の隙間を巧に使いこのような作業をするのでしょうか。

雄紀によると、2つの理由があるそうです。一つは、開花の季節を迎え、新たに生まれてくるミツバチが多くなり、新生児の場所を確保するために自らの意思で巣枠を拡張するため。

もう一つは、巣枠の六角形のセルのサイズは、メスの働きバチ用に作られているので、彼らより少し体型の大きなオスには、人が提供する既存の巣枠、そのセルサイズには合わないので、自ら生まれてくるオスのために大き目の巣枠を自作するのだそうです。

ミツバチ社会を構成するのは、1匹の女王蜂と営巣、集蜜、子育てなど社会維持のほとんどを担う働きバチ(メスのみで9割5分以上)です。以前にもコラムでご紹介しましたが、オスバチはミツバチ社会の中では、交尾のためにのみ存在します。ミツバチ社会の中では、圧倒的に数の少ないオスバチですが、働きバチは、今の時期、新たに生まれてくる雄バチのためにもせっせと働いています。

斉藤克明

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