養蜂日記

#4 ミツバチから学べること

<26日の養蜂日記に続きます>

今までにご紹介させていただきました英語圏のはちみつと養蜂に関する作家諸氏、

ローワン・ジェイコブセン、メーテルリンク、ルーシ―・M・ロングに共通しているのはミツバチを通じて私たちの歴史や社会を観察するとともに、自然への関心への興味と飽くことのない好奇心や想像力を持っているということです。

「青い鳥」の作者でノーベル賞詩人でもあるメーテルリンクは、その著書、「蜜蜂の生活」で彼独特のミツバチに対する愛着と興味をもって、独自の世界観に発展させています。

ローワン・ジェイコブソンさんは、「ハチはなぜ大量死したのか」(原題:Fruitless Fall; The Collapse of the Honey Bee and the Coming Agricultural Crisis:実りのない秋、ミツバチの崩壊と迫り来る農業の危機)で2008年に世界的センセーションを巻き起こしましたが、その著書では、自然のメカニズムと現代社会が自然に及ぼし得る悪影響を丁寧に、かつ愛情をもって表現しています。

ルーシーさんの著書、「ハチミツの歴史」においても、彼女のミツバチとはちみつに関連する大いなる歴史探訪は、アメリカのリベラルアーツ教育の豊かさを実感できるものです。

おそらく、世界の養蜂家はその根本に自然への畏怖とミツバチという昆虫への愛着を持っているのではないでしょうか。そうでないと、はちみつが太古から現代にいたるまで延々と人々に愛されているその理由が説明できません。

斉藤克明

 

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