#2 メーテルリンク著、ミツバチの生活
「青い鳥」の著者、モーリス・メーテルリンクの「蜜蜂の生活」という著書をご紹介してから1か月あまり経ちました。
かれはその著書、最後の章、冒頭で「蜜蜂は自分たちが集めた蜜を誰が食べるのか知らない。同様に私たちが宇宙に導きいれる精神の力を誰が利用することになるのか、私たちは知らない。」(山下和夫+橋本綱共訳)と述べています。
養蜂家としての雄紀は、ミツバチが自分たちの集めた蜜を誰が食べるのか知らないというのは、働きバチの寿命が3週間あまりととても短いのでメーテルリンクは知らないとしたのではないかと言っています。私は、冬の時期、働きバチの寿命が3か月くらいと伸びてもそう言えるかと突っ込むよりも、彼の次のフレーズ、「精神の力」という表現に惹かれています。おそらく、あと一世紀前であれば、精神は神と置き換えられていたと思います。彼は、「私たち」という主語をそこで2回使っていますが、なぜ自分たちで「力」を導いたのに、その結果を自分たちは知らないのでしょうか。そして、それがミツバチの集蜜と、どのようにリンクするのでしょうか。彼が未来に託したメッセージはとても興味深く思います。
(つづく)
斉藤克明