なんではちみつが種類ごとに分かれるのか
最近いろいろな方からこの質問を受けます。
「齊藤さんのはちみつはアカシアやカラスザンショウなど色々な種類で売ってますが蜂にこの花に行けなんて命令できないのに何故採り分けできるんですか?」
販売会なんか行くと一日で最低10回は聞きます。
結論から言います。
「普通に採ってれば種類ごとに分かれないほうがおかしいです。」
どういうことかと申しますと、花が咲く時期を思い浮かべてもらいたいのですが、例えばフジと桜が同じ時期に咲くでしょうか?
咲かないのです。同じ春の花でも桜は4月初旬~中旬 フジは4月初旬~5月初旬 といった具合に時期が分かれます。
花・・・・特に蜂が蜜を集められるくらい多くの蜜を出す花というのは同時期に一度に咲くことを極力避けます。
別々の種類の花が全く同時に咲いてしまうと蜂が全部の花を回りきる前に散ってしまうため咲き損になってしまうのです。
花はあくまで虫に花粉を運んでもらうために花を咲かせます。決して人の目を楽しませるために咲いているわけではありません。
花としても最も効率よく花粉を運んでもらうために数百万年進化してきた結果こうして時期を分けるようになったのでしょう。
こういった理由で花は同時には咲きませんから、桜が咲き終わった直後に蜜を絞ってやれば桜の蜜が採れます。フジの蜜は混じりません。まだフジは咲いていないからです。
また、確かに同時期に咲く花もあるにはありますが多くの場合咲く場所が違います。例えば春先咲くレンゲはフジと時期が被りますが私は山奥で蜜を採るため物理的にミツバチがレンゲのところまで行くことは出来ないため、混ざることはありません。
しかし、天候等いろいろな理由で長期間採蜜が出来ない場合もあります。そういう場合は蜜が混ざります。また、例年は咲かない思いがけない花が咲いてしまい、混ざってしまうこともあります。
そういった場合に採取できるのが百花蜜です。百花蜜はいろいろな花の蜜が混ざったものという意味です。