女王蜂
昔素人の人に蜂を見せる機会があったのですが、皆数百匹の蜂を目の前にすると結構喜んでくれたものでした。
そして、必ず100%聞かれたのが「女王蜂はどれ?」という言葉。ミツバチといえば女王蜂を見たがるのが世間一般の傾向のようです。実際、私も始めてミツバチを見たときは女王蜂を探したものでした。
今回は女王蜂について。
さて、女王蜂とはミツバチの群れの中に基本的に一匹だけ存在し、卵を産む蜂のことです。
体は働き蜂より大きいです。どれくらい大きいかは写真で見るのがわかりやすいでしょう。
これくらいです。
日本だと女王蜂なんて偉そうな名前で呼ばれていますがヨーロッパのどっかの国では巣箱から基本的に出ないで引きこもっている事から「幽閉蜂」なんて呼ばれているそうです。
事実、巣箱から勢いよく飛び出しているのは働き蜂、ないしオス蜂であり、女王蜂は出てきません。
女王蜂は正しく巣の要となる蜂です。女王が分泌するホルモンにより働き蜂は自分の役割を正しく認識している様で、女王がいなくなると働き蜂が卵を産み始めたり、そもそも働かなくなったりして、新しい女王が現れない限りそのうち巣は壊滅します。
そんな重要な女王蜂ですが、生まれた段階ではただの働き蜂の卵です。女王になるか働き蜂になるかは生まれた後何を食べたかで決まります。生まれたあとローヤルゼリーを食べ続けた幼虫はそれだけで女王蜂に成るのです。因みに働き蜂は花粉と蜂蜜を食べて育ちます。
女王の一生を追っていくと、まず女王は王台と呼ばれる女王蜂専用の育成台の中で生まれます。というのも女王蜂は体が大きくなる為普通の働き蜂が育つ巣では小さすぎるのです。
中央のピーナッツみたいな物が王台です。
王台は春から夏にかけて働き蜂が作ります。実は新しい女王蜂を作るかを決定する権限は働き蜂にあるのです。
そして、王台に卵を産み終えた女王は王台の中の新女王が充分育ったところで新女王に巣を託し、自分は新天地を求めて一部の蜂を引き連れ巣から出て行ってしまいます。これを分蜂(ぶんぽう)と呼びます。
こんな感じで途中木に止まって休憩しながら巣作りに最適な場所を探し、見つかるとそこで新しい巣を作ります。
そうして、新しい巣を作ったあと女王蜂が年老いて元気がなくなると働き蜂は女王に新しい女王を作らせ旧女王を殺してしまうと言われています。
だいぶ端折りましたが女王の一生はこんな感じです。
今度は働き蜂、オス蜂について書いていきたいと思っています