養蜂&はちみつコラム

ミツバチの社会―#5 秋から冬の彼らの社会   

<22日のコラムにつづきます>

11月も終わりに近づき、スズメバチ対策のネットが解除されました。9月から11月上旬までミツバチ群を襲ってきた彼らの姿は、もう養蜂場にはありません。

ミツバチの女王が2-3年生きて、その群、すなわち社会を保つのに比べ、女王の命が1年のスズメバチは、今の時期にその群も終焉を迎えます。

さて、ミツバチ群の冬ですが、野生の状態では、今までに彼らが一所懸命に貯めた餌としての蜜をこの時期から来春まで消費して群を維持します。養蜂場にあっては、彼らの貯蔵した蜜は、暫時搾っているので、不足分を人工的に給餌します。活動のエネルギー源としてはショ糖を、巣作りや幼虫への給餌としては、花粉エキスをそれぞれの群に補完します。

冬の時期でも咲く花があるのは、ネットで検索すれば驚くほどたくさん出てきます。それらを外勤ミツバチは、しっかり探し、蜜を集め小さくなった群に戻ってきます。

余談ですが、菅原道真が大宰府に左遷される時に詠んだ歌、「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」は、旧暦睦月(現2月)に可憐に咲く梅の花を彷彿させます。その花の蜜を集めるミツバチ、その姿は昔も今も変わらないはずです。

斉藤克明

 

 

 

 

 

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