養蜂場生物図鑑 アカガエル ヤマカガシ
先日養蜂場でスズメバチ捕りをしていると突然草むらからカエルがが飛び出し、それを追ってヘビが飛び掛かりました。
飛び出したカエルはアカガエル(多分ヤマアカガエル)。ヘビはヤマカガシでした。アカガエルはたまに鳴いているのは聞いてましたが、
ヤマカガシは小さい個体しか見たことが無かったので60cm越えてそうなこの個体はこの辺だと結構珍しいかもしれません。
しかしこのヤマカガシの細さに対してアカガエルは結構太っていますので、さすがにこれを飲み込むことは出来ないだろうと見ていたら・・・・
噂には聞いていましたがヘビが口を開けると開口部のでかいこと・・・・しかも飲み込みやすいようにカエルの足の位置を微調整してどんどん丸呑みにしてしまいます。
毒が回っているのかアカガエルはほとんど動きませんでした。
30分ほどで完全に飲み込んでしまいました。飲み込んだ後は筋肉で圧縮するのかあんなにでかいカエルを飲み込んだのにヘビの方は多少膨れた程度で普通に歩いてどっか行ってしまいました。
養蜂家としてはアカガエルはミツバチを食べてしまうので増えすぎたらヤマカガシに頑張ってもらいたいところです。
尚、ヤマカガシはれっきとした毒蛇です。毒の量と注入能力が弱いのと性格がおとなしくて余程ストレスを与えられて窮鼠猫を噛む感じでしか人間を噛まないので毒蛇としては無名ですが、ヤマカガシの毒の致死性はマムシの4倍ほどあると言われており、
既に日本国内でヤマカガシ毒による死者も4名が報告されています(多くの症例がすぐにヘビを振り払わず、しばらく噛まれたままだったとか何度も触触ろうとして何度も噛まれたなどして毒が多量に注入されたと考えられている)。小さくてかわいいヘビですが触らないようにしましょう。法的にも特定動物なので持って移動する事も飼うことも禁止です。もし噛まれたら迷わず病院に行ってください。
ただ、国内のヘビとしては唯一ほぼカエルを専門に食べるヘビであり、増えすぎたカエルの数を調整してくれている大事な人たちなので毒があるからと言って駆除しようとかは止めましょう。
それにこのヘビ、棒で叩かれたりすると首の後ろの毒腺の毒が飛び散りそれが目に入るとひどい炎症を起こしたりします。触らぬヘビに祟り無し。どうせほぼカエルしか食べない無害と言っていいヘビなので放っておきましょうね。
今回の生き物
ヤマカガシ (Rhabdophis tigrinus)
有隣目ナミヘビ科
アカガエル (Rana ornativentris)
無尾目アカガエル科
書いた人 齊藤雄紀