養蜂日記

#3 メーテルリンク著、ミツバチの生活

<前回のコラムに続きます>

写真は今週の養蜂場、巣箱の様子です。1か月前に比べると、蜜を集めに巣を出る働きバチの数が増えてきています。そして、写真にあるように、これから生まれてくるミツバチの蛹も彼らのコミュニティーである巣箱にしっかりと蓄えられてきました。

活発になってきた働きバチの集蜜活動

さて、前回のコラムに続きメーテルリンクの著書、蜜蜂の生活、最後の章の冒頭、「蜜蜂は自分たちが集めた蜜を誰が食べるのか知らない。同様に私たちが宇宙に導きいれる精神の力を誰が利用することになるのか、私たちは知らない。」について再度、考えてみたいと思います。

新たなミツバチ誕生も間近ー巣枠に詰まった蛹セル

人と比べて、その寿命が3週間(春夏)~3か月(秋冬)と短いミツバチ、彼らの社会においては、働きバチたちの役割は明確に分かれていて、それぞれがそれぞれの役割を全うするありようは、なるほど私たちの視点からすれば、雄紀が言うように蜜の行方を短命なミツバチが知ることはないでしょう。では、「私たち(人間)が宇宙に導きいれる精神の力を誰が利用することになるのか、私たち(人間)は知らない」ということを、読者の皆さんはどのように考えますか。私は「科学的知識の行方」と捉えています。120年ほど前のメーテルリンクのこのフレーズは、現代、なかんずく、コロナ禍に席巻されている今の世界を、象徴しているようにも思えます。

斉藤克明

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